神話

デメテル

でめてる 別名:Demeter

意味

デメテルは、古代ギリシャで穀物と耕作を司り、娘ペルセポネの母として信仰された女神です。『ホメロス風デメテル讃歌』は、娘の不在と帰還、穀物の不作と回復を一つの物語で結びます。

解説

『ホメロス風デメテル讃歌』で、ペルセポネはゼウスの同意を得たハデスに連れ去られます。デメテルは松明を持って娘を探し、ヘリオスから真相を聞くと神々の世界を離れました。女神が種を地中に隠したため人間界に飢饑が迫り、ゼウスは娘を帰すようハデスへ命じます。

ペルセポネは地下の世界でザクロの種を食べたため、一年のうち三分の一をハデスのもとで過ごし、残る時間は母といることになります。再会したデメテルは大地へ実りを戻しました。これは讃歌が語る神話上の秩序です。図像では、穀物の穂や王笏を持つデメテルと、松明を持つペルセポネが、耕作を伝える英雄トリプトレモスとともに表される例があります。

讃歌の終わりで、デメテルはエレウシスの人々へ祭儀を教えます。ここから展開したエレウシスの秘儀は、入信者が内容を公にしない密儀でした。そのため、儀式の全容は分かりません。象徴として読む場合は、漠然と「母性」へまとめず、何を育て、喪失の間に何を止め、戻ったものとどのような秩序を結び直すのかを分けて考えます。