神話

ペルセポネ

ぺるせぽね 別名:Persephone・Kore・コレー

意味

ペルセポネは、古代ギリシャでデメテルの娘であり、ハデスの妻、冥界の王妃として信仰された女神です。『ホメロス風デメテル讃歌』は、地上から連れ去られ、母のもとへ帰還した後も一年の一部を冥界で過ごす由来を語ります。

解説

『ホメロス風デメテル讃歌』では、ペルセポネが仲間と花を摘んでいる時、ゼウスの同意を得たハデスが大地の裂け目から現れ、彼女を冥界へ連れ去ります。ペルセポネは抵抗して母を呼びました。デメテルは娘を探し続け、太陽神ヘリオスから事情を聞くと神々の集いを離れ、大地に種が育たない状態をもたらします。

人間が飢え、神々への供え物も途絶えかけたため、ゼウスはヘルメスを冥界へ遣わしました。ハデスは帰還するペルセポネにザクロの種を食べさせます。食べ物を口にしたことで地上だけには留まれず、讃歌では一年の三分の一を冥界、残る三分の二を母や神々と過ごす秩序が定まりました。半年ずつに分ける説明は後代の資料に見られる別の形です。

ペルセポネはコレーとも呼ばれます。コレーは「娘」や「乙女」を意味し、デメテルの娘としての呼称です。一方で、ペルセポネは冥界の王妃として死者の領域にも権限を持ちます。大エレウシス浮彫では、王笏を持つデメテルと松明を持つペルセポネが、穀物の栽培を広める英雄トリプトレモスを挟んで立っています。ここに表されたのは農耕と祭祀に関わる母娘の姿です。

季節の循環、離別と帰還、二つの世界で役割を持つことは、この物語から導かれる象徴的な読みです。讃歌が直接記すのは、連れ去り、飢饉、ザクロ、滞在期間という出来事です。終盤にはデメテルがエレウシスで祭儀を教える場面もあります。秘儀の詳しい内容は公にされなかったため、現代に分かる範囲は限られています。