神話

ミンテ

みんて

意味

ミンテは、ハデスと関係を持ち、香草ミントへ姿を変えたと語られる冥界のニンフです。古代資料では、変身を起こす女神がペルセポネまたはデメテルとされ、細部が異なります。

解説

ストラボンの『地理誌』は、ピュロスの東にミンテの名を持つ山があり、近くにハデスの聖域とデメテルの森があると記します。ここでミンテはハデスの愛人となり、妻コレーに踏みつけられて庭のミントへ変わりました。コレーは「娘」を意味するペルセポネの呼び名です。この記述では、地名、冥界神の聖域、植物名の由来が一つの土地に結びついています。

オッピアノスの『漁夫訓』では、ミンテは冥界の川コキュトスに属するニンフです。ハデスがペルセポネを連れ去ると、ミンテは自分の美しさを誇り、ハデスが戻ってくると口にしました。この異伝ではデメテルがミンテを踏みつけ、彼女の名を持つ香草が大地から生えます。ストラボンの記述と比べると、罰を与える女神と変身の描き方に違いがあります。

オウィディウスの『変身物語』第10巻は、ペルセポネがミンテの体を香りのよいミントへ変えたことを短く振り返ります。三つの資料に共通するのは、冥界の女神との対立を経て、ミンテの名が植物へ残る点です。この物語は植物名の由来を説明します。香草の成分や作用、薬用・食用での扱いは、植物学や医学の資料が根拠になります。