哲学・心理
パレイドリア
ぱれいどりあ 別名:pareidolia・顔パレイドリア意味
パレイドリアとは、外界にある曖昧な模様や音を手掛かりに、そこにはない顔、文字、物などのまとまりを知覚する現象です。顔パレイドリアは代表例であり、文字や物として知覚する場合も対象です。見えた像は知覚体験として記録し、印刷された図像や制作者が意図した記号とは分けます。
解説
雲、木目、壁の染みには、実際の明暗、線、凹凸があります。それらが目や口の配置に似ていると、顔としてまとまって見える場合があります。曖昧な刺激を手掛かりに像が生じる点がパレイドリアです。像が見えたこと自体は本人の知覚体験です。その場所に人の顔が描かれている、または誰かが顔を意図して作ったと判断するには、制作記録など別の根拠が要ります。
リウらは二〇一四年、二十人へ純粋な雑音画像を見せ、顔または文字が半数に入っていると伝えました。実際には対象を入れていない画像でも、参加者は顔や文字を見たと報告しています。顔を見た時には、実在する顔の処理にも関わる右紡錘状回顔領域の反応が強まりました。この結果は、わずかな視覚的手掛かりと見る側の予測が、像の知覚に関わる一例です。
ウォードルらは二〇二〇年、物に顔が見える写真、似た構図で顔に見えない物の写真、人の顔を比較しました。顔に見える物は、初めは人の顔に近い脳活動として表されましたが、およそ二五〇ミリ秒以内に通常の物へ近い表現へ変わっています。この結果が示す範囲は、顔の検出が素早く働く知覚過程です。物の中に隠れた人物や意思が存在するという主張には、別の証拠が必要です。
カードを見る時は、三つの段階を分けます。人物の目、鳥、星など、印刷で確かめられる形は図像上の事実です。背景の濃淡に顔が見えたなら、その顔は個人的な知覚として記録します。「この顔は隠れた協力者を表す」と読む部分は占術上の解釈です。複数人に同じ像が見える場合もあります。意図された図像と判断する時は、制作者の解説書や制作資料を根拠にします。
アポフェニアは、出来事、数字、画像など、広い範囲の情報に意味あるつながりを感じる傾向です。パレイドリアは、そのうち曖昧な刺激を顔や物の像として知覚する現象に焦点を当てます。投影は、自分の感情や性質を他者へ帰属させる心理学上の概念です。図像観察は、描かれた人物や物、色、方向を意味付けより先に記述する作業を指します。