哲学・心理

応用倫理学

おうようりんりがく 別名:applied ethics・実践倫理学・実践倫理

意味

応用倫理学は、医療、研究、環境、事業、技術、専門職などの具体的な行為や制度について、何が許され、何が求められるかを検討する倫理学の分野です。倫理原則と現場の事実を照らし、関係者、利益と害、権利、責任、実行できる選択肢を明らかにします。

解説

規範倫理学の対象は、正しい行為や望ましい人格を判断する一般的な原理です。応用倫理学では、その原理と事例の事実を行き来しながら、特定の行為や実務の可否、責任、制度のあり方を問います。一般原理の適用に加え、事例の特徴や複数の原則から判断を組み立てる方法もあります。

応用倫理学には、生命倫理、研究倫理、事業倫理、環境倫理、技術倫理、専門職倫理などがあります。分野ごとに影響を受ける人、起こり得る害、制度、必要な専門知識が変わるため、倫理理論の知識に加えて現場の事実が必要です。たとえばAIの倫理では、透明性、公平性、人権、安全性、監督の仕組みを、システムの設計と利用状況に即して検討します。

具体的な問題での始点は、決定すべき問いと影響を受ける人の特定です。次に、分かっている事実と不確実な点、関連する法令、職能規程、権利と義務、選択肢ごとの利益と害を書き出します。原則が衝突する時は、優先した理由、負担を減らす方法、判断を見直す条件まで示せば、結論に至る道筋を追えます。

米国のベルモント・レポートは、人を対象とする研究について、人格の尊重、善行、正義という原則を、インフォームドコンセント、利益と危険の評価、研究対象者の選定へ結び付けました。これは原則を実務へ具体化した例です。報告書の直接の対象は人を対象とする研究であり、他の分野へ参照する時は、その範囲と制度の違いを明示します。

タロット相談では、相談者が伝えた年齢、希望、料金への同意、繰り返しの連絡などが観察・記録できる事実です。カードの人物、色、配置も図像上の事実ですが、そこへ意味を与える文は占術上の解釈です。守秘、録音、第三者の情報、利益相反、提供範囲、安全上の対応は、同意、規約、現実の危険、専門職上の責任から判断します。カードの解釈は、こうした倫理判断の根拠と分けて記録します。