哲学・心理
メタ倫理学
めたりんりがく 別名:metaethics・meta-ethics・倫理学の基礎論意味
メタ倫理学は、道徳について語り考える時、その言葉の意味、判断の真偽、道徳的事実の有無、知識の根拠、理由と動機の関係を研究する分野です。「何をすべきか」という個別の答えを出す前に、「道徳判断は何を述べ、どのように成り立つのか」を一段引いて問います。行為の基準を考える規範倫理学や、具体的な領域を検討する応用倫理学とは、問いの水準が異なります。
解説
メタ倫理学の問いは、四つの角度に分けると見通しがよくなります。意味論は「正しい」という文が何を意味し、真か偽かを問えるかを調べる領域です。形而上学は、道徳的な事実や性質が存在するのかを検討します。認識論は、道徳判断をどのように知り、理由づけられるかを問い、心理学的な論点は判断、行為の理由、動機の結び付きを検討します。
意味論には、道徳判断を真偽の対象になる信念として捉える認知主義と、命令や態度の表明などとして捉える非認知主義があります。形而上学では、心や文化から独立した仕方を含め、何らかの道徳的事実を認める実在論と、それを認めない反実在論が論じられます。「道徳文は真偽を問えるか」と「道徳的事実は存在するか」は別の質問です。この二つの分類を同じ対立として扱うと、立場の違いが不明瞭になります。
観察された事実から道徳的な結論へ進む時は、価値を含む前提や推論の橋渡しを示す必要があります。ヒュームは、事実を述べる「である」から義務を述べる「べきである」への移行が説明されない議論を問題にしました。たとえば「相談者が不安を感じた」という事実だけでは、正しい対応を導く材料が不足します。不安を減らすべき理由、本人の選択を尊重する価値、他の影響を加えて初めて勧告の筋道が見えます。
ムーアは『倫理学原理』で、「善い」という性質が何であるかを問うことと、何が善いか、善い結果をどう実現するかを問うことを区別しました。彼は「善い」を他の性質で定義できないと論じましたが、これはメタ倫理学に強い影響を与えた一つの立場であり、後の研究には異論があります。重要なのは、用語の意味を問う議論と、具体的な価値判断を同じ答えで済ませないことです。
タロット相談で「この選択は悪い」と述べる場合は、観察できる事実、カードの解釈、価値を含む前提、行動の提案へ分けます。カードの図像と実際に出た位置は確認できますが、象徴から危険、善悪、第三者の意図を読む部分は占術上の解釈です。カードの役割は象徴を読むことにあり、道徳的事実の存在や客観的な正しさを証明する手段とは区別します。相談者が重視する価値と現実の証拠を確かめ、どの前提から助言が導かれたかを示します。