タロット

愚者の旅

ぐしゃのたび

意味

愚者の旅は、愚者を主人公に見立て、大アルカナのほかの21枚を順に経験していく物語として読む方法です。カード同士のつながりを学ぶための現代的な枠組みで、タロット唯一の公式な物語ではありません。

解説

現存する初期のタロットは、15世紀の北イタリアで遊ばれたカードゲームです。愚者の札と21枚の切り札がありましたが、札の構成や順番はデッキによって異なり、現在のような占いとの結び付きは後世に広まりました。そのため、愚者が0番から世界の21番まで旅をする筋書きを、初期のカードに記された物語として扱うことはできません。

「Fool's Journey」という呼称は、エデン・グレイが1970年に刊行した『A Complete Guide to the Tarot』のエピローグに使ったことで知られます。グレイは愚者を、残る21枚が表す人生経験を通る存在として説明しました。その後も複数の著者が構成を発展させており、レイチェル・ポラックは、愚者の旅を大アルカナに考えられる一つの型だと位置付けています。

学ぶときは、愚者を出発点、世界を一つの到達点として置き、その間の人物や出来事が前後でどう変わるかを追います。ただし、すべての人生がカード番号どおりに進むわけではありません。実際のリーディングでは、引いたカードの図像、質問、並べた位置を優先します。愚者の旅は、番号の前後からカード同士の変化を考えるときに使う学習法です。