神話
ハデス
はです 別名:Hades・Plouton・Dis Pater・プルートーン意味
ハデスは、ギリシャ神話で死者の領域を治める神であり、その領域自体の名でもあります。ハデスの役割は、死者が行き着く世界の秩序と王権を保つことです。
解説
ホメロス『イリアス』では、ゼウス、ポセイドン、ハデスの三兄弟がくじを引き、天空、海、霧深い冥界を分けます。ハデスは死者の領域を統治する神となり、神名はやがて冥界そのものも指すようになりました。文章の中で「ハデスへ下る」とあれば場所、「ハデスが命じる」とあれば神を指す可能性が高く、前後の動詞が見分ける手掛かりになります。
『ホメロス風デメテル讃歌』では、ゼウスの同意を得たハデスがペルセポネを冥界へ連れ去ります。母デメテルが穀物を実らせる力を止めたため、ゼウスはヘルメスを遣わし、娘の帰還を仲介させました。ハデスは出発前にざくろの種を密かに食べさせ、ペルセポネは一年の三分の一を冥界、残りを母のもとで過ごすことになります。古代資料が示すこの比率は、後世に広まった半年ごとの説明と異なります。
ハデスにはアイドネウスという別名があり、地下の富との結び付きからプルトンとも呼ばれました。一方、死そのものを人格化した神はタナトスです。冥界を治めるハデスと、死の到来を表すタナトスを分けると、それぞれの役割が明確になります。準惑星の冥王星はローマ名 Pluto を受け継ぎ、現代占星術はそこから独自の象徴体系を組み立てています。