神話

ヘリオス

へりおす 別名:Helios

意味

ヘリオスは、ギリシャ神話で太陽そのものを神格化した存在です。四頭立ての戦車で天空を進み、地上を見渡す役割から、誓いや隠された行為の証人にもなりました。

解説

『ホメロス風ヘリオス讃歌』は、ヘリオスをヒュペリオンとエウリュパエッサの子、エオスとセレネの兄弟と伝えます。光線を放つ兜を着け、馬に引かせた戦車で天の高みへ上り、夕方にはオケアノスへ向かうのが一日の道筋です。この記述では、太陽の運行そのものが神の移動として語られています。

『オデュッセイア』第12巻では、ヘリオスの不死の牛と羊がトリナキア島で飼われていました。オデュッセウスの仲間は手を出さないと誓った後、食糧が尽きると牛を殺します。娘ランペティエの知らせを受けたヘリオスがゼウスへ処罰を求め、船は雷霆で砕かれました。ここで全てを見聞きする太陽神の性質は、誓約違反を明るみに出す役割と結び付きます。

紀元前500年ごろのアッティカ式レキュトスには、四頭立ての戦車で昇るヘリオスと、その左右を離れるニュクスとエオスが描かれています。これは古代の器物に残る図像上の事実です。神話本文ではヘリオスが太陽の運行を担い、アポロは音楽や神託を中心に担いました。後代にアポロも太陽と結び付くため、二神の名が出た時は作品の時代と役割を分けて読む必要があります。