哲学・心理
解釈的経験
かいしゃくてきけいけん 別名:interpretive experience・hermeneutic experience・解釈学的経験意味
解釈的経験は、文章や作品との出会いが、対象への理解と、理解する側の予想や前提をともに組み直す出来事です。当初の見方が通用しない点から学び、次の理解へ開かれるところに、一時的な感想との違いがあります。
解説
ガダマーは『真理と方法』で、経験を情報の蓄積だけでは捉えませんでした。対象が予想どおりに見える間は、以前の理解が繰り返し確かめられています。予想に反するものと出会い、対象と自分の見方をともに捉え直す時に、新しい経験が成立するという考えです。
予想が外れることには、生産的な役割があります。解釈者は、対象について何を見落としていたかに加え、自分がどの前提に縛られていたかを知ります。その結果、以前より広い地平から対象を見られるようになりますが、そこで理解が完成するわけではありません。
ガダマーは、経験を積んだ人の特徴を、新しい経験から学べる開放性に見いだしました。自分の知識、計画、予測には限界があると知るため、異なる主張にも耳を傾けられます。解釈的経験は、次の問いに応じて理解を直せる開放性を育てます。
タロット相談では、カードを引く前の予想と、引いた後に確かめた内容を分けて記録します。カード上で観察できる人物、物、色、配置、版の解説書に書かれた意味、相談者が語った事実では、根拠の種類が異なるためです。当初の読みが相談内容と合わない時は、カードへ状況を無理に合わせず、質問の範囲や別の解釈を見直します。この修正の過程が解釈的経験にあたります。
実践の記録には、最初の予想、予想に反した手掛かり、修正した前提、残った疑問、次に確かめる事実を並べます。カードから生じた連想は考えを進める材料であり、外部の出来事や他者の心理を証明するものではありません。現実の判断へ移る際は、連絡履歴、契約、費用、期限、安全性など確認可能な情報と本人の意思を優先します。