神話

ネメシス

ねめしす 別名:Nemesis

意味

ネメシスは、思い上がりや不正に対する憤りと、それに報いを与える力を表した古代ギリシャの女神です。強い立場を頼んで他者を傷つけることへの戒めと結び付いています。

解説

古代ギリシャの詩人ヘシオドスが記した『仕事と日』には、悪い行いが称賛され、正直な人が傷つけられる世の中の描写があります。その果てに、ネメシスは、悪事を恥じる気持ちを表すアイドスとともに人間の世界を去るのです。この場面は、人が不正を恥じたり憤ったりする感覚を失うことへの警告として理解できます。

ネメシスを祀った土地の一つが、ギリシャのアッティカ地方にあるラムヌスです。この地の神殿に由来する大理石像の頭部が、大英博物館に所蔵されています。古代の各地を記録した著述家パウサニアスは、ラムヌスの像に翼はなく、後の時代の作り手がネメシスに翼を付けたと記しました。像の持ち物や姿を調べるときは、どの土地や時代の作品かを区別すると、異なる表現を一つの像に混ぜずに理解できます。

ネメシスを正義のカードや天秤に重ねるのは、行いと責任を考えるための連想の一例です。たとえば、自分に有利な条件を相手にも認めているかを振り返るきっかけになります。ただし、他人の不幸を当然の報いと決めつけたり、仕返しを正当化したりする根拠にはなりません。