象徴
セルリアンブルー
せるりあんぶるー意味
セルリアンブルーは、コバルトと錫の酸化物を主成分とする、緑みを帯びた空色の合成無機顔料です。十九世紀初頭に製法が整い、1860年ごろから画材として販売され、安定した淡青として油彩や水彩に用いられました。
解説
セルリアンブルーは、青緑寄りの空色をつくる合成無機顔料で、コバルト錫青の名でも流通する色材です。ボストン美術館の保存科学資料CAMEOは、コバルトと錫の酸化物を焙焼する製法が1805年にドイツで整えられ、1860年に画材用顔料として販売された経緯を記しています。歴史上の顔料は、コバルト錫酸化物を基礎とする材料として識別されてきました。
色名は材料を特定するための出発点です。CAMEOは「セルリアンブルー hue」として売られる製品に、コバルトとアルミニウムの酸化物、コバルトクロム系、フタロシアニンと白色顔料の組合せなどがあると示しています。スミソニアン協会の保存科学研究所が13銘柄の青色アクリル絵具を分析した報告でも、セルリアンブルーの名称を持つ製品には組成の幅がありました。作品の材料を特定する時は、色名や見た目に分析結果、画材の記録、制作時期を重ねて照合し、材料候補を絞ります。
伝統的なセルリアンブルーは、非常に細かな緑みの青色粒子をもち、光や酸・アルカリに対する安定性が資料に記されています。画材を粉末で扱う場面では、製品ごとのSDSを確認し、粉じんを吸い込まない手順を選ぶことが必要です。カードや配色でセルリアンブルーを開放感や遠くを見る視線に結び付ける読みは、空を思わせる見え方を手がかりにした色彩の比喩です。顔料の組成や耐久性を示す記述とは、用途と根拠が分かれます。