哲学・心理

セルフ

せるふ

意味

セルフは、ユングの分析心理学で、意識と無意識を含む心の全体性を示す理論概念です。自我は意識の中心とされ、セルフはそれを含む人格全体の中心として説明されます。

解説

分析心理学でいう自我は、日常で考え、選ぶ時に意識できる範囲の中心です。セルフは、その外にある無意識も含む心の全体を考える概念です。国際分析心理学会のユング著作集の要約は、自我を意識の中心、セルフを人格全体の中心として紹介しています。英語の self は日常語や他の心理学でも使われるため、このページではユングの理論上の意味に限ります。

円、四分割、中心をもつ図形は、ユングがセルフと結び付けて論じたマンダラの例として現れます。図形だけでセルフを指すとは定められません。夢や作品の場面では、周囲に置かれた像、本人の連想、文化的背景を分けて考えます。セルフは、検査で測れる性格尺度や医学上の診断名ではありません。

タロットの円形の装飾や四方を示す構図をセルフの比喩として使う読みは、分析心理学を参照した後代の応用です。自分像についての気づきと、心理状態の診断や治療の必要性は別の問題です。苦痛や生活上の支障が続く時は、占いの解釈から離れ、心理・医療の支援先へ相談します。