象徴
レッドオーカー
れっどおーかー意味
レッドオーカーは、赤鉄鉱(ヘマタイト)を主な発色成分とし、粘土などが混じる赤から赤褐色の土性顔料の総称です。天然の赤土を細かくして使うほか、イエローオーカーを加熱して得るものがあり、現代の製品には合成酸化鉄による赤もあります。
解説
赤鉄鉱は、酸化鉄から成る鉱物です。レッドオーカーでは赤鉄鉱の赤い色と粘土の粒子が一緒になり、赤、赤褐色、紫みを帯びた褐色までの幅が生まれます。土性顔料とは、土や鉱物を砕き、粒子を選別して用いる顔料のことです。
レッドオーカーは古くから絵画、器の彩色、化粧などに使われてきました。大英博物館が公開する古代エジプトの試料では、赤鉄鉱、カオリナイト粘土、少量の石英を含む粉末がレッドオーカーとして記録され、器の装飾に使われています。洞窟や墓地から赤い土が見つかる例もありますが、出土場所だけで、その赤がどの儀礼を表したかまでは定められません。
天然顔料のレッドオーカーと、黄土を加熱して赤くした顔料、合成酸化鉄を使う現代の製品は、見た目だけでは分けにくい場合があります。色名が同じでも、原料、粒子の大きさ、結合材、塗膜の厚みは、隠ぺい力と表面の見え方を左右します。作品の赤は顔料名だけで決めず、層の位置と制作時期から検討する対象です。
材料調査では、蛍光X線分析で鉄を調べ、ラマン分光で赤鉄鉱のような鉱物の手掛かりを得ます。蛍光X線分析は試料に含まれる元素を読む方法で、ラマン分光は分子や結晶の特徴を確かめる方法です。鉄の検出だけでレッドオーカーと断定せず、粘土、石英、ほかの赤色顔料、絵具層を比べて候補を絞ります。
赤い土から生命、境界、所属を連想する読みは、地域の造形や儀礼の資料を手掛かりにした文化的な解釈です。占いや創作では、赤鉄鉱と粘土が混じる材料差から、勢いだけで決めず、何を土台にするかを確かめる問いへつなげられます。顔料の組成が人の感情や出来事を決める、という意味にはしません。