石
ヘマタイト
へまたいと 別名:Hematite・赤鉄鉱意味
ヘマタイトは、化学式Fe2O3で表される酸化鉄鉱物です。金属のような灰黒色から赤褐色まで幅があり、見た目が暗い標本でも、粉末にすると赤褐色の条痕を示すことがあります。鉄鉱石として利用され、赤色顔料に関わる鉱物でもあります。
解説
ヘマタイトは日本語で赤鉄鉱とも呼ばれる酸化鉄鉱物です。三方晶系に属し、板状・鱗片状・粒状・塊状の集合をつくります。三方晶系は、結晶の対称性にもとづく分類の一つです。金属光沢をもつ灰黒色の標本は一見すると黒く見えますが、薄い結晶や粉末では深い赤色が現れることがあります。鉱物を素焼きの板にこすりつけて得る粉末の色を条痕といい、ヘマタイトでは赤褐色の条痕が見分ける手掛かりになります。
ヘマタイトの結晶には薄い板が重なったような集合があり、鉱物標本の分野ではヘマタイトローズと呼ばれる例もあります。磁鉄鉱も鉄を含む暗色の酸化鉱物ですが、強い磁性を示す磁鉄鉱と、赤褐色の条痕が手掛かりになるヘマタイトは別の鉱物です。外観だけで区別せず、条痕、磁性、硬度、結晶の形、成分を合わせて確かめます。
ヘマタイトは鉄に富む堆積岩、熱水鉱床、変成岩、火成岩中の副成分などに生じます。鉄を得る重要な鉱石であり、粉末状の赤鉄鉱を多く含む土はレッドオーカーと呼ばれる赤色顔料の材料になります。レッドオーカーには、加熱した針鉄鉱に由来するものもあるため、赤色顔料のすべてが単一のヘマタイト鉱物とは限りません。
占いで赤褐色の条痕を、表面の印象と実際に確かめた情報を分ける比喩にする場合があります。この連想は鉱物の観察と赤色顔料の文化史を人の判断へ重ねた読みです。ヘマタイトが血液、体力、守護の働きをもたらすという科学的根拠を示すものではありません。