哲学・心理

自我(エゴ)

じがえご

意味

自我(エゴ)は、ユングの心理学で、自分を「私」と感じ、経験や判断を自分のものとして受け止める意識の中心です。意識と無意識を含む心全体を指す「自己(セルフ)」と区別されます。

解説

たとえば「私は昨日こう決めた」と振り返る時、経験の主語になっている「私」が自我に当たります。ユングは、自分について意識できる内容と、まだ気付いていない無意識の内容を分けて考えました。自分の性格を説明できても、行動の理由まで十分に自覚しているとは限りません。自己(セルフ)は、この自覚の及ばない部分まで含めた心を捉える概念です。

自我という言葉の意味は、心理学の理論によっても異なります。精神分析を築いたフロイトは、欲求、良心や理想、外界の条件の間で調整する心の働きとして自我を説明しました。たとえば、欲しい物があっても予算や約束を考えて買い方を決める場面になぞらえられます。フロイトの理論では、自我そのものにも本人が気付いていない働きがあるため、自我と意識の範囲は一致しません。

タロットで自我に注目する場合は、本人が自覚している判断や選択を振り返るために、この考え方を応用します。仕事の相談なら、自分で決めた目標と、周囲から期待されている役割を分けて考える例があります。その時に浮かぶ連想は、本人の経験や希望と照らし合わせる仮の見方です。カードの種類や向きは、自我の強さや心の状態を診断する根拠にはなりません。