哲学・心理

古代エジプト起源説

こだいえじぷときげんせつ

意味

古代エジプト起源説は、タロットの絵に古代エジプトの教えが受け継がれているとする説です。18世紀以降の象徴解釈に影響しましたが、タロットの成立を示す歴史的事実としては未証明です。

解説

この説の広がりを考えるうえで重要なのが、著述家クール・ド・ジェブランの『原始世界』第8巻です。1781年に発表された同巻の論考で、彼はタロットの札を、古代エジプトの知識が保存された書物のように説明しました。カードの人物や配置に神話との共通点を見いだし、それを古代とのつながりの根拠にしたのです。

タロットの歴史を実際にたどる手がかりには、1440–1450年代のイタリアの記録と、15世紀半ばに作られた現存の札があります。これらから、当時タロットがカード遊びに使われていたことが分かります。一方、古代エジプトからその札へ教えが伝わったという経路は、史料で裏付けられていません。絵の類似から意味を連想することと、制作や伝来の記録を示すことでは、確かめられる内容が違います。

この説を受け継いだ人々は、タロットを古代の知恵や占術と結び付ける解釈を発展させました。今日、エジプトの神々を題材にしたデッキに出会った場合も、まず分かるのは、その作品がエジプト文化を取り入れているということです。図像の題材を楽しむことと、カードの起源を調べることを分けると、作品の個性と歴史の両方を捉えやすくなります。