タロット

イタリア式スート

いたりあしきすーと 別名:Italian suits・イタリアスート

意味

イタリア式スートは、剣、杯、貨幣、棒の四つで札を分けるスート体系です。タロットでは、この四組から成る56枚のスート札に、21枚の切札と愚者を加えて78枚とする構成が知られています。四つの記号がスートの種類を示し、札数や遊び方はデッキごとに確かめます。

解説

メトロポリタン美術館の資料では、15世紀半ばのイタリアで、杯、剣、棒、貨幣が標準的なスートとして使われていました。初期のタロットでは、各スートに1から10までの数札と、王、女王、騎士、従者の人物札があり、一組14枚です。四組で56枚となり、切札と愚者は56枚とは別に数えます。

数札の値を示すのは、同じスート記号の反復です。剣と棒の曲がり方や交差、杯と貨幣の装飾は地域と版によって異なり、見慣れた形だけで決めると取り違えが起こります。国際プレイングカード協会のマルセイユ版パターンには、人物札の題名と各スートのエースがそろうため、記号と名称を一組として照合できます。

同じ四スートでも、デッキ全体の枚数には地域ごとの差があります。大英博物館が所蔵する17世紀のミテッリ版タロットは、各スートから2から5を除いた62枚組です。ここから分かるのは、スート体系とデッキ全体の枚数が別の分類項目だということです。地域名、制作年代、残存枚数も合わせて記録すると、欠損と本来の構成を区別できます。

現代の占術用タロットでは、棒をワンド、貨幣をペンタクルなどと呼び替え、四元素を対応させる場合があります。こうした名称と対応は各デッキの解説に属する意味付けで、歴史的なスートの識別とは役割が異なるものです。実占では、札面の記号とデッキの構成を先に確かめてから、付属説明書の名称と解釈を用います。