神話

ニオベの子ら

におべのこら

意味

「ニオベの子ら」は、王妃ニオベが女神レトより多くの子を持つと誇ったため、レトの子アポロンとアルテミス(ローマ名ディアナ)がニオベの息子と娘を矢で討つ神話図像です。弓を引く神々、空から降る矢、逃げる若者、娘をかばう母が場面を見分ける手がかりになります。

解説

『イリアス』第24巻では、ニオベの子は息子六人と娘六人です。息子をアポロン、娘をアルテミスが射抜き、ニオベはシピュロス山の岩となっても嘆き続けます。後代の『変身物語』では七男七女とされるため、子の人数は伝承によって異なります。

オウィディウスの物語では、息子たちは馬術や競技の最中、娘たちは兄弟の死を悼む場で倒れます。ニオベは残った末娘を抱いて命乞いをしますが、その娘も射られ、最後に全身が石へ変わりました。疾走する若者は最初の襲撃、子を抱く母は最後の命乞いを表します。涙を流す岩は、子を失った後も続く悲嘆の場面です。

ウフィツィ美術館の群像では、逃げたり身をかばったりする家族が並びます。なかでもニオベが末娘を抱き、攻撃から守ろうとする姿が中心です。この図像には、誇りへの罰という物語上の因果と、子を守る母の動作、喪失の悲しみが重なっています。