神話

アポロンとマルシュアス

あぽろんとまるしゅあす

意味

アポロンとマルシュアスは、竪琴を弾く神アポロンと、管楽器アウロスを吹くサテュロス(人と獣の特徴を持つ野の精霊)が音楽を競い、敗れたマルシュアスが皮を剥がれるまでを描く神話図像です。競技と処刑は、別々の場面としても一つの作品の中にも表されます。

解説

『変身物語』では、マルシュアスがアウロス、アポロンが竪琴で競い、敗者は勝者の裁きに委ねられる約束でした。アポロンは勝利後、助命を訴えるマルシュアスの皮を剥ぎます。人々や精霊の涙からフリュギアのマルシュアス川が生まれ、物語は競技から処刑、川の誕生まで続きます。

二人が楽器を手に向かい合う作品は競技の場面です。処刑へ移ると、木につるされた裸体、手足の縄、刃を研ぐ人物などが加わります。竪琴とアウロスを手掛かりにし、拘束や刃物の有無まで確かめれば、物語のどの時点かを判断できます。

後の罰まで見ると、二人の競技には技量の差とは別の力関係が表れます。勝者となった神が、敗れたサテュロスの身体を裁くという非対称な関係です。