神話

アポロンとダフネ

あぽろんとだふね 別名:Apollo and Daphne・アポロとダフネ・アポロンとダプネ

意味

アポロンとダフネは、アポロンの追跡から逃げるニンフのダフネが、助けを求めて月桂樹へ変わる神話場面です。走る男女と、樹皮に覆われる身体、枝葉になる指や髪、根に変わる足が識別要素になります。変身は、ダフネが望まない求愛から身を守るための手段です。

解説

物語は、怪物ピュトンを倒したアポロンが弓の腕を誇り、愛の神クピドを侮ったことから始まります。クピドは、愛を起こす金の矢をアポロンへ、愛を退ける鉛の矢をダフネへ放ちました。アポロンは追いかけますが、ダフネは以前から結婚を拒み、森で暮らすことを父へ願っていました。二本の矢は二人の反対方向の意思を示します。

追跡が迫ると、ダフネは河神である父ペネイオスへ、自分の姿を変えてほしいと助けを求めます。祈りが終わる前に胸は樹皮で覆われ、髪は葉、腕は枝、足は根へ変わりました。追うアポロン、逃げるダフネ、身体と樹木がつながる途中の形がそろえば、変身の瞬間を描いた作品と判断できます。

ベルニーニの彫刻は、アポロンの手がダフネの身体へ触れた時に変身が始まる構成です。アポロンは片足を上げたまま走り、ダフネは振り返りながら両腕を伸ばしています。足元から根が生え、手と髪が枝葉へ変わるため、見る位置を移すと追跡から樹木化までを順にたどれます。

変身後、アポロンは月桂樹を自分の聖木と定め、髪、竪琴、矢筒をその葉で飾ると宣言します。これが月桂冠とアポロン、詩、勝利の結び付きへ続きました。ただし、月桂樹に与えられた栄誉はアポロン側の宣言です。月桂冠の象徴を説明する時も、ダフネが追跡を拒み、身体を変えて逃れた経緯を先に確かめます。