神話
ミダスの審判
みだすのしんぱん意味
ミダスの審判は、アポロとパンの音楽競技でミダスがパンを支持し、アポロからロバの耳を与えられる場面の通称です。オウィディウスの『変身物語』では、正式な審判者は山神トモロスであり、ミダスはその判定に異議を唱える立場にいます。
解説
パンは蝋でつないだ葦笛を奏で、その素朴な音がミダスを喜ばせました。続いてアポロが竪琴を弾くと、トモロスはパンへ楽器を下げるよう命じ、アポロの勝利を示します。その場にいた者のうち、ミダスだけが判定を不当だと訴えたため、アポロは人間の耳を長く毛の生えたロバの耳へ変えました。
後世の絵画や版画は、競技、反対意見、処罰を一画面にまとめることがあります。そのため作品名ではミダスが審判者と呼ばれ、王冠を着けたミダスがパンを指す姿も描かれました。文学上の役割を確かめる時はトモロスが審判者、美術上の場面名を読む時はミダスの選択が中心、と分けると混乱しません。
場面を見分ける手掛かりは、アポロの竪琴、パンの葦笛、ミダスの王冠やロバの耳です。アポロとマルシュアスの音楽競技にも弦楽器と管楽器が登場しますが、ミダスやトモロスがいればパンとの競技を示します。触れた物を黄金にする逸話は、同じ『変身物語』第11巻に置かれた別の出来事です。