占星術
天文測定位置
てんもんそくていいち意味
天文測定位置は、太陽系天体の幾何学的位置へ光行時間の補正を加え、星表の恒星位置と比較できる基準座標系で表した位置です。英語ではastrometric placeまたはastrometric positionと呼ばれます。
解説
幾何学的位置は、ある時刻の観測者と天体を直線で結んだ瞬間的な方向です。ただし、天体から届く光は有限の時間をかけて進みます。天文測定位置では、その間に天体が移動した分を反映し、観測者へ光を放った時点の方向へ直します。
米国海軍天文台とJPL Horizonsは、天文測定位置に光行差と重力による光の曲がりを加えないと説明しています。近くの背景星にも観測者の運動によるずれがほぼ同じように現れるため、星表と太陽系天体の方向を比べる用途に適しています。
国立天文台の天体暦は、準惑星や小惑星など暗い太陽系天体について、ICRS上の天文測定位置を掲載しています。ICRSは、遠方の天体を基準に座標軸の向きを定めた国際天球基準座標系です。掲載値を星図と比べる時は、基準系と座標の種類を同じ条件へそろえます。
視位置は、光が届く時間に加え、光行差と重力による光の曲がりを反映した位置です。地上から望遠鏡を向ける場合は、観測地点、地球の歳差・章動、大気差なども計算条件へ入ります。そのため、同じ時刻の同じ天体でも、天文測定位置と視位置の数値には差が生じます。
占星術ソフトでサイン上の度数を比べる場合、ICRSの赤経・赤緯と黄経は座標の種類が異なります。観測原点、基準座標系、座標の種類、時刻系を確かめ、同じ黄道座標へ変換した値を使います。