占星術

天体の入り

てんたいのいり

意味

天体の入りは、特定の観測地点から見て、天体が地平線の上から下へ横切る現象です。地球の自転に伴う一日の見かけの運動で通常は西側に起こり、入りの時刻は天体と観測地点ごとに異なります。

解説

低・中緯度では、多くの天体が東側で出た後に子午線を通過し、西側で入ります。地平線上を進む区間が、観測地から見える日周運動の弧です。子午線通過は多くの場合、出と入りの間にありますが、時刻の中点とのずれは天体自身の運動や観測緯度に応じて生じます。入りの計算も、天体の見かけ位置と観測地の経度・緯度・標高を基礎に、気圧、気温、西側の地平線の高さを加えます。太陽や月では円盤上端が地平線へ消える瞬間を使う慣例があり、天体中心や下端を選ぶ計算も可能です。山並み、建物、大気状態の変化は実際の観測時刻を動かすため、計算値には採用した地平線と大気差の条件を添えます。

観測地の緯度と天体の赤緯の組み合わせによっては、天体が地平線上にあり続けて入りが起こらない場合があります。反対に、終日地平線下にあって出も入りも起こらない配置もあります。ヘリアカルセッティングは、夕方に見えていた天体が太陽へ近づき、薄明の中で最後に見える可視性の現象です。毎日の天体の入りとは判定対象が異なります。出生図のDSCは、指定時刻に黄道が西の地平線と交わる点です。個々の天体の入りは、その天体自身の赤経・赤緯と観測条件から求めます。入りの時刻へ象徴的意味を加える場合は、出没計算の事実と占術上の読みを分けて記録します。