占星術

地心視差

ちしんしさ

意味

地心視差は、同じ天体を地球中心から見た方向と、地表の観測地点から見た方向の角度差です。観測地点に基づく方向は地表基準またはトポセントリックと呼ばれ、天体が近いほど、また地平線に近いほど差が大きくなります。

解説

地球中心から月へ引いた線と、観測者から月へ引いた線は異なる方向を指します。この二本が示す角度差は、天体が天文地平線上にある時に最大となる地平視差です。天体が天頂へ近づくにつれ、二方向の差は小さくなります。

月の地平視差は約54〜61分角で、ほぼ0.9〜1.0度に相当します。これに対し、太陽視差は約8.79秒角です。1分角は1度の60分の1、1秒角は1分角の60分の1なので、地球からの距離が方向差へ大きく影響することが分かります。

地表基準位置の計算には、観測地点の経度、緯度、標高、時刻が必要です。大気によって天体が実際より高く見える屈折は大気差と呼ばれ、観測点の違いから生じる地心視差とは別に補正します。出没時刻を照合する場合は、地形や気象による見え方も計算値と分けます。

占星術用天体暦の多くは地心位置を標準にしていますが、ソフトによっては地表基準位置も選べます。月がサイン境界、アスペクトのオーブ境界、ハウスカスプ付近にある時は、方式の違いが判定を変え得るため、観測地点と計算設定の記録が必要です。年周視差は地球の公転軌道を基線に恒星方向の季節変化を測る現象であり、地球中心と地表を基線にする地心視差とは別の量です。