占星術
天の北極
てんのほっきょく意味
天の北極は、地球の自転軸を北側へ延ばした方向と天球が交わる点です。赤道座標では赤緯プラス90度に当たり、北半球の空では恒星の日周運動の中心になります。
解説
天球は、天体の方向を表すために地球または観測者を囲むと考える仮想の球面です。地球の赤道をこの球面へ延ばした大円が天の赤道で、その面に垂直な自転軸の北側が天の北極、反対側が天の南極です。赤緯は天の赤道から北をプラス、南をマイナスとして測ります。天の北極は赤緯プラス90度で定まり、すべての時圏が集まるため、どの赤経を置いても同じ点を示します。
北半球では、天の北極の高度が観測地点の北緯と等しくなります。北緯35度なら、天の北極は真北の地平線から約35度上です。天の北極に近い恒星は地平線より上を一周し、周極星として極の周囲を回るように見えます。北極星は現在の天の北極に近い目印です。両者の間には角距離があり、日周運動では北極星が極を囲む円を描きます。
自転軸の方向は、歳差と章動に伴って変化します。約2万6000年規模の歳差へ短周期の章動が重なるので、天の北極の方向と北極星との距離も年代によって移り変わる関係です。星表や座標を精密に比べる時には、J2000.0などの元期、平均極か章動を含む真の極か、採用した歳差・章動モデルを記録に残し、条件をそろえる必要があります。
占星術のハウス、ASC、MCは、観測地点の緯度と地球の自転を使うため、天の極と地平線の幾何に関係します。高緯度では黄道の一部が昇らないことがあり、プラシーダスやコッホのカスプを計算できない場合があります。これは座標計算の条件で、天の北極そのものへ人物像や出来事の意味を与える話とは別です。図を再現する際は、出生地の南北緯とハウス方式を記録します。