占星術

章動

しょうどう

意味

章動は、太陽や月などの重力を受けた地球の自転軸が、長期的な歳差に重なって周期的に揺れる現象です。天体の見かけの座標を精密に求める時に、この揺れを補正します。

解説

地球は赤道方向に膨らんだ形をしているため、太陽や月による引力の偏りが自転軸の向きを変えるトルクを生みます。約2万6000年規模で軸の向きが移る成分が歳差、そこへ重なる複数の短周期成分が章動です。章動をならした軸と赤道を平均の値、指定時刻の章動まで加えた軸と赤道を真の値として区別します。

章動には多くの周期成分があり、最も大きな項は約18.6年周期です。月の昇交点が黄道上を約18.6年で一周し、地球へ及ぼす引力の向きを周期的に変えることから生じます。国立天文台は極軸の揺れを約9秒角と説明しています。1秒角は1度の3600分の1なので、肉眼で気づきにくい量でも精密な座標計算では補正対象です。

計算では、黄経方向の章動をデルタ・プサイ、黄道傾斜方向の章動をデルタ・イプシロンとして求めます。歳差までを反映した平均赤道・平均分点へ章動を加えると、日付時点の真赤道・真分点に基づく座標へ移れます。グリニッジ視恒星時や天体の視位置は、この真の基準を使う量です。精度が必要な場合は、IAU 2006歳差とIAU 2000A章動など採用モデルも記録します。

占星術ソフトは通常、天体位置、恒星時、ASC、MC、ハウスを求める内部計算で章動を反映します。平均座標と真座標を混ぜると章動分の度数差が生じるため、固定星の合や狭いオーブを比べる時は座標設定をそろえます。章動の主要周期と月のノード周期が約18.6年で一致するのは、同じ昇交点運動が原因に関わるためです。ただし、章動は地球の軸方向の変化、ノードは月の軌道面と黄道面の交点であり、計算する量も占星術上の用途も異なります。