象徴

みなみじゅうじ座

みなみじゅうじざ 別名:Crux・Cru・Southern Cross

意味

みなみじゅうじ座は、四つの明るい星が十字形の目印「南十字」を作る、全天で面積が最も小さい星座です。学名はCrux、略符はCruで、アクルックスが十字の足、ガクルックスが上端に見えます。

解説

古代地中海の星表では、現在の南十字の主星はケンタウルス座の後脚に置かれていました。地球の自転軸の向きが長い年月で変わる「歳差」のため、北側の地域から次第に見えにくくなり、近世のヨーロッパ航海者が南天であらためて記録します。バイエルの1603年『ウラノメトリア』では、Cruxがケンタウルス座から分けて示されました。

南十字は、南の方角を探す手掛かりにもなります。十字の足から長軸を延ばすと天の南極の方向へ近づき、近くのケンタウルス座α星とβ星は南十字を見つける「ポインター」として役立ちます。この方法で得るのは、おおよその方向です。天の南極付近には北極星のような明るい目印が乏しく、十字形の星の並びが補助になります。

十字という見立ては、ヨーロッパで定着した文化的な読み方です。マオリの伝承には空のカヌーを留める錨、チリのマプチェの伝承には大型の鳥ニャンドゥの足跡として見る例があります。占術で信仰や試練を読む場合、その意味はキリスト教の十字に基づく後世の解釈です。四つの星が作る並びは観測できる事実ですが、そこに見る物語は文化によって変わります。