占星術
子午環
しごかん意味
子午環は、天体が観測地の子午線を通過する時刻と、そのときの方向を測る位置観測用の望遠鏡です。子午線とは、天の北極と南極を通って観測者の頭上を結ぶ大円を指します。測定結果は、恒星の赤経・赤緯を定める星表や、時計の時刻を整える基準に使われました。
解説
望遠鏡は東西方向の水平軸で支えられ、子午面の中を南北方向へ回転します。恒星が視野の基準線を横切る時刻を精密な時計で記録すると、既知の恒星との比較から赤経を求められます。軸の両端にある目盛り付きの円で天頂からの角度を読み、観測地の緯度や大気差などを補正すれば赤緯が得られる仕組みです。望遠鏡が東西へ自由に向かないのは、観測する面を子午線に固定して時刻と角度を精密に測るためです。
子午環は、恒星の位置をそろえた観測星表の作成と時刻決定を長く支えました。グリニッジ王立天文台のエアリー子午環は、1884年に国際的な経度0度の基準として採用された子午線を定めた器具です。地上の子午環による位置観測は20世紀末まで続きましたが、ヒッパルコスなどの位置天文衛星が多数の恒星を大気圏外から高精度に測るようになり、中心的な役割を終えました。
子午環が直接記録するのは、天体の通過時刻と方向です。出生図のMCは、出生日時と場所から求めた地方恒星時などを用いて計算する点で、この器具の観測値とは異なります。歴史的な星表と時刻系は天体暦を整える基礎になりましたが、子午環そのものが出生図を作成したり、占星術上の意味を判断したりするわけではありません。