占星術

アクベンス

あくべんす 別名:Acubens

意味

アクベンスは、かに座α星の主成分Aaに国際天文学連合(IAU)が認めた固有名です。見かけの明るさは4.26等で、暗い場所なら肉眼で見えますが、かに座で最も明るい星ではありません。

解説

αはバイエル符号と呼ばれ、星座ごとにギリシャ文字を付けた呼び名です。明るい星から常にα、βの順になる決まりではないため、かに座ではβ星タルフのほうが明るく見えます。アクベンスを探す際は、αという文字を一等星の印と考えず、座標や星図で位置を確かめます。

Acubensはアラビア語のal-zubāna(爪)に由来します。古い星図で、アクベンスとι星が蟹の二本の爪に置かれたためです。名称は中世以降に綴りを変えながら受け継がれ、IAUは2016年に主成分Aaの固有名として承認しました。

プトレマイオスの『テトラビブロス』は、蟹の爪にある星々へ土星と水星に似た性質を割り当てました。これは古代の占星術で使われた分類です。現代の天文学は、アクベンスをスペクトル型や距離、固有運動などの観測値で記録します。出生図で固定星として参照する場合は、古典の分類、採用する解釈書、計算した黄経を記し、「爪」という語源だけから防御や執着の意味を決めないようにします。