神話
ポルックス
ぽるっくす 別名:Pollux意味
ポルックスは、ふたご座β星に付けられた固有名です。見かけの等級は1.16。橙色のK型巨星で、約34光年先にあり、カストルより明るく見えます。
解説
スペクトル型はK0 IIIbです。K0は太陽より表面温度が低く橙色に見える恒星、IIIは主系列期を終えて大きく膨らんだ巨星であることを示します。βという符号ですが、ふたご座α星のカストルより明るく見えます。バイエル符号のギリシャ文字は、必ずしも明るい順ではありません。
Polluxは、ギリシャ神話のポリュデウケスを表すラテン語形です。古代名はルネサンス期にふたご座β星へ当て直され、隣のカストルとともに双子の頭を示す星名として定着しました。この双子関係は星図上の物語であり、二つの恒星が連星を作っているという意味ではありません。
古代の物語は、ポリュデウケスとカストルの親や不死性について一つに定まりません。その一つでは、死んだカストルと運命を分かち合うため、不死のポリュデウケスが天上と地下を交互に生きる道を選びました。この選択が、占星術で兄弟愛や忠誠を読む根拠になっています。
ポルックスには約590日周期の視線速度変化があり、巨大惑星ポルックスbによるものと解釈されてきました。視線速度とは、恒星が地球へ近づいたり遠ざかったりする速さです。一方、恒星の自転周期と磁気活動も似た周期を示すため、2021年の研究は磁気活動だけで変化を説明できる可能性を排除していません。現時点では「惑星が確認された」と断定せず、惑星候補として紹介するのが妥当です。