神話
アルキオネ
あるきおね 別名:Alcyone意味
アルキオネは、プレアデス星団で最も明るい、おうし座η星Aの固有名です。国際天文学連合(IAU)の一覧では2.85等とされ、青白いB型巨星として、すばるの中心付近に見えます。
解説
スペクトル型B7 IIIeの「B7」は高温で青白い星、「III」は巨星を表します。末尾の「e」は水素の輝線が見えることを示し、アルキオネの周囲には恒星から放出されたガスの円盤があります。星の青白さと円盤は恒星物理の観測事実であり、神話上の性格を説明する色ではありません。
古代ギリシャの神話と系譜をまとめた『ビブリオテーケー』では、アルキオネはアトラスとプレイオネの七人の娘、プレイアデスの一人です。ポセイドンとの間にアイトゥーサ、ヒュリエウス、ヒュペレノルをもうけた系譜も記されています。ただし、七姉妹の個人名をプレアデスの明るい各星へ割り当てる慣習はルネサンス期に成立したため、神話本文と現在の星名を同時代の記録として扱うことはできません。
プトレマイオスの『テトラビブロス』は、プレアデス星団全体を月と木星に似た性質として分類しました。これは星団に対する古代占星術の記述で、アルキオネ一星の物理的性質を説明したものではありません。出生図でアルキオネを固定星として参照する場合、個別の黄経、星団全体の古典分類、七姉妹の神話という三つの由来を区別すると、意味の重なりをたどりやすくなります。