占星術

コカブ

こかぶ 別名:Kochab

意味

コカブは、こぐま座β星に付けられた固有名です。見かけの等級は2.07。橙色に見えるK型巨星で、地球から約131光年離れ、北天でフェルカドと並んで見えます。

解説

スペクトル型はK4 IIIです。K4は太陽より表面温度が低い橙色の恒星、IIIは中心部の水素を使い終えて大きくなった巨星を示します。

こぐま座の主要7星をひしゃくに見立てると、コカブは器の外側の縁に位置し、隣のフェルカドと一組になります。二星は北天の極のまわりを回って見えるため、「極の守護者」と呼ばれてきました。これは星図上の位置を表す通称です。二星が重力で結ばれた連星という意味ではありません。

地球の自転軸は歳差と呼ばれる運動でゆっくり向きを変えます。そのため、空で自転軸の延長に当たる天の北極も長い年月をかけて移動します。約3000年前のコカブは現在より天の北極に近く、北を探す目印になりましたが、最接近時にも極から約7度離れていました。現在の北極星はポラリスです。

Kochabという名はルネサンス期にこぐま座β星へ使われ始めました。中世に別の星へ使われたAlrucabaなどの名から移ったという説と、アラビア語やヘブライ語で「星」を表す語に由来するという説があり、成立経路は確定していません。国際天文学連合は2016年、Kochabをこぐま座β星の固有名として承認しました。

古典占星術では、プトレマイオスがこぐま座の明るい星々へ土星と、より弱い金星の性質を配しました。これは古代の象徴上の分類です。K4 IIIというスペクトル型や、天の北極との距離が歳差で変わることは、観測に基づく天文学上の情報です。