象徴
無彩色
むさいしょく 別名:achromatic color・achromatic colour・ニュートラルカラー意味
無彩色とは、知覚上の色相がない色で、白、灰色、黒が代表例です。色みの種類より明暗の差が前に出るため、同じ無彩色でも白から黒まで見え方と役割は大きく変わります。
解説
国際照明委員会、略称CIEは、知覚上の無彩色を「色相を欠く色」と定義しています。色相とは、赤、黄、緑、青など、どの色みに見えるかを区別する知覚上の属性です。白、灰色、黒のほか、光を通す物では無色や中性という呼び名も使われます。同じ刺激でも、周囲の照明や目が順応した環境によって色みの見え方が変わります。
ISOとCIEが定めるCIELAB色空間は、明度、クロマ、色相に対応する値を計算する方法を規定しています。無彩色の配色で白と灰色、灰色と黒を区別する時は、色相の差がなくても明るさの差を使えるという意味です。ウェブのアクセシビリティ指針WCAGも、本文と背景の可読性に十分な相対輝度のコントラストを求めます。白黒で作った画面でも、近い灰色を重ねると文字や境界が見えにくくなるため、実際の組み合わせで比率を測れます。
ヨナウスカイテらは二〇二〇年、三十か国、二十二言語の参加者四千五百九十八人に、十二の色名と二十の感情概念の結び付きを尋ねました。国を越えて共通する傾向がある一方、言語や地理が近い国ほど回答の形も似ており、国ごとの差も表れた研究です。全体では黒と悲しみ・恐れ・憎しみ、灰色と悲しみ・失望、白と安堵が目立つ結び付きでした。この調査の測定対象は色名から連想した概念であり、無彩色が感情を生じさせる因果関係は別の研究課題です。
カードや図版の無彩色を読む時は、最初に白、灰色、黒の位置、面積、明暗差、素材、照明を観察事実として記録します。その後で、喪、格式、簡潔さなどの連想が作品の文化、時代、用途と合うかを資料で確かめ、解釈へ進みます。有彩色は知覚できる色相をもつ色と無彩色を分ける分類です。明度は同じ照明下で色が明るく見える度合いを指します。色調は色相、明度、彩度をまとめた色の調子を表す概念です。