象徴

明度

めいど 別名:lightness・L*・明るさの尺度

意味

明度とは、同じように照らされて白く見える面と比べ、対象の色がどの程度明るく見えるかを表す知覚上の属性です。周囲との関係で知覚する物体色に用い、光の物理的な強さを示す輝度とは区別します。

解説

CIEの定義では、明度は、同様に照明されて白く見える、または高い透過率をもつ面を基準にして判断する明るさです。このため明度は、周囲との関係の中で見える関連色だけがもつ属性です。明るさは、面が光を多くまたは少なく放射、透過、反射しているように見える知覚全般を指します。輝度は、指定した方向へ出る光を視感度で重み付けした測光量です。三つの語を分けると、見た目と測定値の混同を防げます。

CIELABでは、明度の対応量をL*で表します。試料の三刺激値Yを基準白色のYnと関連付けて計算し、基準条件の黒に近い端を〇、基準白色を一〇〇とする尺度です。L*は、基準白色と測定条件を伴う相対的な指標です。印刷物や塗装を比較する時は、イルミナント、標準観察者、観察幾何、基準白色をそろえます。画面では表示機器の白色点と輝度条件も結果に関わります。

同じ試料も、周囲と色みの強さによって明度の見えが変化します。同一の灰色正方形を黒い背景へ置くと、白い背景へ置いた時より明るく見える同時明度対比が代表例です。実験では、すぐ隣の背景と画面全体で最も明るい領域の両方が判断へ関わりました。ヘルムホルツ・コールラウシュ現象では、輝度を一定にして色刺激の純度を高めても明るく見え、関連色では明度も変化することがあります。見た目の判断には、反射率や画面値に加えて、背景と色相・彩度も使います。

カードや図版では、明度の高低に加えて、画面内の基準と配置を記録します。最も明るい部分、最も暗い部分、人物と背景の差、光源として描かれた物、影の向きを順に見ると、視線の誘導や奥行きを説明できます。白に近い色を軽さ、暗い色を重さへ結び付ける読みは、構図や描かれた対象が支える場合の解釈です。心理状態の解釈には、明度とともに表情、姿勢、場面の情報が必要です。色相は色みの種類、彩度は色みの強さ、無彩色は色相を感じない白・灰色・黒の仲間を指します。