象徴

メタメリズム

めためりずむ 別名:metamerism・メタマー現象・条件等色

意味

メタメリズムとは、分光分布が異なる二つの色刺激が、指定した測色系では同じ三刺激値をもつ性質です。その一致は、照明や観察者などの条件を変えると崩れることがあり、色合わせの品質管理で重要になります。

解説

物体色の測定では、材料が波長ごとに光を反射する割合、照明の分光分布、標準観察者の等色関数を組み合わせて三刺激値を求めます。異なる顔料や染料は、反射スペクトルが違っていても、ある照明と標準観察者の下で同じ三刺激値になる場合があります。この一組がメタマーで、その性質がメタメリズムです。見本と製品が一つの照明下で同じ色に見えた後、反射スペクトルの同一性は分光測定で確かめます。

照明を変えた時に一致が崩れる度合いを評価したものが、イルミナント・メタメリズムです。ISO 18314-4は、固体表面色の組について、基準照明から試験照明へ変えた時の色差を使う計算法を定めています。CIEのメタメリズム指数も、基準イルミナントを相対分光分布の異なる試験イルミナントへ置き換えた時の色ずれを、明記したCIE色差式で表す指標です。実際に使う光源を試験条件へ選ぶことで、店舗と屋外、撮影用照明と展示照明など、用途ごとの判断に結び付きます。

基準観察者から実在する人へ観察条件を変えた時の色ずれは、観察者メタメリズムです。CIE 080は、正常色覚の試験観察者を用いる評価法を示し、人による違いを色合わせに伴う要因として位置付けています。狭い波長帯で発光するディスプレイやLEDでは、同じ色度へ調整しても、分光分布の違いによって人ごとの一致が崩れることがあります。標準観察者による測定値は基準系に対する結果、複数人の目視評価は実在観察者の幅を示す情報です。

実務では、見本と対象を基準照明と用途に合う試験照明で並べ、必要に応じて分光測色計で反射率を測ります。観察幾何、標準観察者、順応時間、背景、色差式を記録すると、結果を再現しやすくなります。カードや図版に描かれた二つの色面をメタマーと判定するには、分光分布と測色条件が必要です。これらの記録を欠く場合、「状況が変わると評価も変わる」という読みは現代的なたとえにとどまります。光源色は光そのものの色、物体色は物体の反射や透過で見える色、色差は指定した色空間で二色の隔たりを数値化したものです。