哲学・心理
色恒常性
いろこうじょうせい 別名:color constancy・colour constancy・カラーコンスタンシー意味
色恒常性とは、照明の強さや分光分布が変わっても、物体表面の色を比較的安定して知覚する働きです。白い紙が昼光下でも電球色の照明下でも白く見えやすい一方、安定の度合いは場面の手掛かりや観察方法によって変わります。
解説
物体から目へ届く光は、照明の分光分布と表面の反射特性の組み合わせで決まります。照明が変われば網膜へ届く刺激も変化しますが、物体表面の色はある程度保たれて見えます。フォスターは、この傾向を色恒常性と定義し、その度合いを指標で表す研究を整理しました。完全に同じ色へ固定する機能と捉えると、照明や背景によって生じるずれを見落とします。
クラフトとブレイナードは、日常場面に近い観察条件で、局所的な順応、画像全体の平均、最も強い光を受ける領域という三つの手掛かりを操作しました。条件によって色恒常性の指標は一一パーセントから八三パーセントまで変化しています。この幅は、複数の手掛かりが場面ごとに寄与することを示しています。
アレンドとリーヴスは、異なる照明を模した二つの画面で色票を合わせる実験を行いました。三人中二人は、同じ紙から切り取ったように見せる課題でおおよその恒常性を示しましたが、色相と彩度を直接合わせる課題では恒常性がほとんど現れない結果でした。何を同じと判断するか、周囲に多色の面があるかという条件で結果が動きます。色恒常性を評価する際は、照明、背景、課題、順応時間を記録します。
色順応は照明変化などに応じて視覚系の状態が調整される過程、色恒常性は物体色が安定して見える現れです。デジタルカメラのホワイトバランスは照明による色かぶりを計算で補正する機能で、人の知覚とは仕組みが別です。カードや作品では、図像の色、光源、周囲、観察時間を事実として残します。安定、記憶、不変という象徴は、変わる照明の中で同じ物を捉える構図が作品内にある時に、解釈として結び付けます。