象徴
ピンク
ぴんく 別名:pink・桃色・淡紅色意味
ピンクとは、明るい赤を中心に、黄みや紫みを帯びた範囲までを指す色名です。淡い色のほか、鮮やかなピンクや暗いピンクもあり、色票体系や用途によって境界が変わります。
解説
ピンクは、赤系統の色を明度とクロマで分ける色名です。NISTのISCC-NBS色名体系では、マンセル色票上のピンクを鮮やか、濃い、明るい、暗い、淡い、灰みなどに区分し、黄みのピンクや紫みのピンクも別の領域として配置しています。「赤に白を混ぜた色」という説明だけでは、鮮やかな色や暗い色まで含む範囲を覆えません。実際の境界は、用いる色票、言語、時代、製品分野によって動くため、体系や用途の明記が必要です。
ピンクの指定では、色名の後に再現条件を置きます。物体色ならマンセル表記やCIELAB座標、イルミナント、標準観察者、観察幾何、光沢を記録し、画面ならRGB値と色空間、白色点、輝度条件をそろえます。World Color Surveyは、百十言語の色名データにピンクへ対応するまとまりが現れる一方、各言語内の分類にも幅があることを示しました。人の知覚に共通する傾向と、言葉による区切り方の多様性を同時に考える必要があります。
ピンク色の作品を調べるときは、見えた色の記録と材料の同定を分けます。紅花の赤色色素カルタミンは、絹や麻、浮世絵で淡いピンクから赤までを作り、光、熱、酸、アルカリに敏感な色素です。十八世紀末ごろに開発されたポッターズ・ピンクは、クロム酸化物とスズ酸化物を石灰とともに焼成して得る陶磁器顔料で、粒子の大きさによって色が変わります。見た目が同じピンクの範囲に収まっても、材料、制作方法、劣化の仕方が違うため、同じ保存条件を当てはめることはできません。年代資料と分析結果を合わせて判断する必要があります。
象徴の検討では、花、肌、衣服、印刷物など、ピンクが属する対象と使用場面を先に読み取ります。三十か国の色名調査では、ピンクに愛、喜び、快さを結び付ける回答が目立ちましたが、国、言語、地理的な近さも回答傾向に関係しました。この研究は色名について参加者が選んだ連想を調べており、色が感情や性格を決定するかは検証対象の外です。人物の服や小物にピンクが描かれている場合も、性別や人柄の推定を保留し、制作年代、地域、図像の役割を示す資料と照合します。