象徴

彩度

さいど 別名:saturation・サチュレーション・鮮やかさ

意味

彩度とは、色みの強さを、その面の明るさとの比で判断する知覚上の属性です。日常では鮮やかさを広く指しますが、測色値やHSLの同名成分とは定義を分けて用います。

解説

CIEでは、色みが強く、または弱く見える知覚属性がカラフルネスです。彩度は、そのカラフルネスを対象面自身の明るさとの比で判断します。これに対しクロマの基準は、同じように照らされた灰色、白、または高透過の面の明るさです。三語は色みの強さに関わる点で共通するものの、比較基準が異なります。観察記録では「鮮やかに見える」という印象を残し、採用する定義を添えると意味が定まります。

CIELABは、L*を明度の対応量、a*とb*を二つの色方向として色を表し、a*とb*からクロマC*abを算出します。ISO/CIE 11664-4が規定するのは明度、クロマ、色相の対応量です。CIECAM16は、三刺激値と観察条件から彩度を含む知覚属性の対応量を求める色の見えモデルです。一方、CSSのHSLにあるSは、sRGB値を円筒形へ並べ替えた色空間固有の成分で、〇%なら灰色、上限ならそのHSL条件で最も強い色になります。同じ「彩度」という表示も、値の意味は色空間と計算法に応じて変わります。

ウィルムスとオーバーフェルトは、色相、彩度、明るさを独立に変えた二十七の有彩色と三つの無彩色を、六十二人へLED画面で提示しました。各色を三十秒見た後の自己報告と生理反応では、彩度と明るさが高い色ほど覚醒度の評価と皮膚コンダクタンス反応が高くなりました。色相との相互作用も表れ、色の三属性が組み合わさって結果を作っています。別の注意実験でも、背景との組み合わせの中で最大の彩度と明るさを持つ色面が多く選ばれました。活気や注意という連想には実験上の傾向がありますが、刺激、背景、観察時間、参加者集団という範囲を伴う結果です。

カードや図版では、最初に彩度の高い部分と低い部分、その色相、明暗、面積、背景との境界、発光部か物体表面かを記録します。画面画像なら色空間と表示条件、実物なら照明と素材も手掛かりです。強い彩度を活力、緊張、警告へ、弱い彩度を静けさ、距離、古さへ結び付ける読みには、人物の動作、配置、場面、制作文化からの裏付けが要ります。彩度差が視線の流れを実際に作る構図では、その観察事実を先に置くことで、象徴解釈の根拠が明瞭になります。