象徴
減法混色
げんぽうこんしょく 別名:subtractive colour mixing・subtractive color mixing・サブトラクティブ混色意味
減法混色とは、色材やフィルターが入射光の一部を吸収し、反射または透過して残った光によって色を作る混色です。光そのものを足し合わせる加法混色とは、色が生じる仕組みが異なります。
解説
透明なフィルターを重ねる場合、各層を通り抜けられる波長の範囲が順に狭くなります。紙上のインキや不透明な絵具では、色材の層が光の一部を吸収し、粒子や下地で散乱した一部が表面から眼へ戻る仕組みです。どちらも特定の波長成分が差し引かれる点は共通しますが、透過と反射は異なる光路として説明します。観察対象がフィルター、印刷、絵具のどれかを先に分けると、混色の過程が明確になります。
理想化した説明では、シアンが主に赤、マゼンタが主に緑、黄が主に青の光を減らす減法原色とされ、実際の印刷ではインキの分光特性、濃度、網点、重ね順、用紙、印刷条件が再現色を左右します。CMYK印刷のK版は、三色のインキが作る暗部を補い、黒い文字や輪郭を安定させる役割を担います。ISO 12642-3やICCの特性データは、定めた印刷条件におけるCMYK値と測色値の関係を記録し、条件ごとの差を管理する基準です。
絵具の混色では、顔料ごとの吸収係数と散乱係数、粒子径、濃度、展色材、塗膜の厚さ、下地が反射光を変えます。クベルカ・ムンク理論は、こうした吸収と散乱を用いて不透明な着色層の反射率を予測する枠組みです。画面上のRGB値や色相環上の位置を中間化する方法は、実物の絵具が示す分光反射率を予測する式とは役割が異なります。使用した色材と支持体が不明な作品では、混ざった後の色から考えられる配合を複数の候補として示します。
カードや図版では、色が光として重なっているのか、透明層を通るのか、色材が塗り重ねられているのかを最初に見ます。次に、下地、層の境界、濁り、透け、光沢、照明を記録すると、減法混色として説明できる範囲が定まります。選別、編集、制限という象徴の根拠には、作中の動作や場面が必要です。何かが実際に覆われる、濾過される、削られる場面と結び付く時に、物理過程を踏まえた解釈として検討できます。