哲学・心理
演繹的推論
えんえきてきすいろん 別名:deductive inference・演繹・演繹推論意味
演繹的推論は、前提がすべて真であれば、結論も必ず真になる形の推論です。この性質を妥当性と呼び、妥当な推論に真の前提がそろった場合を健全な推論と呼びます。
解説
演繹的推論は、前提と結論の間にある必然的な関係を調べます。代表例は「すべてのAはBである」「CはAである」から「CはBである」と導く三段論法です。また、「もしPならQ」「P」から「Q」を導く形は前件肯定と呼ばれます。どちらも、前提を同時に真としながら結論だけを偽とする場合がないため、妥当な形式です。
妥当性は、推論の形に関する評価です。妥当な推論が保証するのは、真の前提を置いた場合に結論も真になる関係であり、各前提が現実に真であるかは別に調べます。誤った前提や妥当でない推論から、偶然に真の結論へ至ることもあります。妥当性に加えて全前提が真である時、その推論は健全です。結論を信じる根拠を評価するには、形式と前提の両方が要ります。
アリストテレスは『分析論前書』で、いくつかの事柄を置いた時、それらと異なる事柄が必然的に帰結する推論を論じました。同書には、真の前提だけから偽の結論を導くことはできない一方、偽の前提から真の結論が生じる場合があるという区別も示されています。現代論理学では、三段論法より広い推論を対象に、前提が真で結論が偽となる場合の有無から論理的帰結を考えます。
例えば「塔のカードが出た相談は必ず別離に至る」「この相談で塔が出た」という二つの前提を置けば、「この相談は別離に至る」という結論は前件肯定の形で導けます。ここで確認すべき中心は、最初の普遍的な前提が真である根拠です。カードが出たことは記録できる事実であり、塔を別離と結びつけることは採用した占術体系にもとづく解釈です。正しい形式が示すのは前提から結論へのつながりであり、その解釈を現実の法則とする根拠は別に求めます。
相談の説明を演繹の形で示す時は、前提を一文ずつ書き出し、観察、資料、占術上の規則のどれに由来するかを分けます。次の焦点は、前提をすべて真と仮定した状態で、結論が偽になる場合を作れるかという点です。最後に各前提の真偽と適用範囲を調べると、形式上の妥当性と内容上の信頼性を混同しにくくなります。帰納的推論、最良説明への推論、認識的正当化の各ページでは、観察例から一般化する方法、競合する説明から選ぶ方法、結論を信じる根拠の条件をそれぞれ説明しており、演繹的推論との違いを比べられます。