哲学・心理

正当化された真なる信念

せいとうかされたしんなるしんねん 別名:justified true belief・JTB・正当化された真の信念

意味

正当化された真なる信念は、ある人が命題を信じ、その命題が真で、信じるための認識上の支えもあるという三条件で知識を分析する提案です。英語の頭文字からJTBと呼ばれますが、三条件がそろえば知識として十分かは、ゲティア問題以後も争点です。

解説

三条件は、真理、信念、正当化です。「面接は月曜日にある」という命題では、実際の開催日、本人の受け止め、判断を支える公式案内が、それぞれ真理、信念、正当化に当たります。正しい日付を偶然言い当てた例は支えを欠き、十分な案内を読んだ後で開催日が変わった例は真理を欠くため、どちらも三条件の一部が不足した事例です。各条件の役割を分けることで、正答、確信、根拠を同じものとして数える誤りを避けられます。

この発想に関係する古典には、プラトンの『メノン』と『テアイテトス』があります。『メノン』によれば、真なる意見も行動を正しく導けますが、理由によってつなぎ留められた知識とは安定性が異なります。『テアイテトス』は「説明を伴う真なる判断」を知識の候補として検討した後、説明について挙げた案を退け、定義の確定を見送る対話篇です。二つの古典は現代の三条件説へ通じる問題を示すため、現在のJTBをプラトンの完成した定義として断定する読み方には注意が要ります。

ゲティア型の反例が、三条件の十分性を揺さぶりました。例として、会場Aと記された公式案内を信じた後、運営側が一度会場Bへ変更し、別の事情から再びAへ戻した場面を考えます。本人が変更を知らないまま「会場はAだ」と信じたなら、結論は真で、信念と一見十分な案内もある状態です。しかし、案内が指していた事情と、実際にAで開催される事情はずれています。真になった経路と本人の根拠が偶然に交差するため、三条件が知識に十分かという疑問が残るのです。

判断を整理する時は、信じる命題、現在の真偽を確かめる資料、信じた時に用いた理由を別々に記します。公式案内なら発行日時、更新履歴、訂正情報も調べる対象です。どの種類の理由が十分な正当化になるかは、JTBという枠組みの外に残る論点です。認識的正当化のページで支えの理論をたどり、ゲティア問題のページで偶然の一致を除く課題へ進むと、三条件説の射程が分かります。

タロットで記録できる事実は、引いたカード、向き、配置、質問、読んだ時刻です。カードの象徴を相談内容へ結び付ける文は、採用した占術体系にもとづく解釈に当たります。「来週、採用通知が届く」という外部の出来事が真だったかは、応募先の連絡や期日後の記録で判定します。結果が読みと一致しても、予測時の根拠と成立した理由が結び付いているかは別の問いです。知識の分析、ゲティア問題、認識的正当化を順に読むことで、三条件、偶然性、根拠の性質を切り分けられます。