神話

ピュグマリオン

ぴゅぐまりおん

意味

ピュグマリオンは、自分で彫った象牙の女性像に恋をしたキプロスの彫刻家です。ローマの詩人オウィディウスは『変身物語』第10巻で、愛の女神ウェヌスが彼の願いを受け入れ、像に生命を与える物語を記しました。

解説

ピュグマリオンは精巧な女性像を作り、衣服や贈り物を与え、生きた人のように接します。ウェヌスの祭日には、像そのものを妻にしたいとは言わず、自分の象牙像に似た女性を妻にしたいと祈りました。家へ戻って像に触れると、硬かった象牙が温かく柔らかくなり、女性は目を開きます。

オウィディウスの本文では、生命を得た女性に固有名が付いていません。「ガラテア」という名は後世の文学、美術、舞台作品を通じて広まりました。古代の物語と後世の作品を紹介する時は、名前が加わった時代の違いを意識すると混同を避けられます。

この物語は、創作者が作品へ抱く愛や、理想を現実にしたい願いの比喩として受け継がれてきました。ただし、原典では女性自身の考えや選択がほとんど語られません。現代の人間関係へ重ねる場合は、自分の理想を相手へ押しつけていないか、相手の意思を尊重できているかという問いにもつながります。