神話

ピュグマリオンとガラテア

ぴゅぐまりおんとがらてあ

意味

ピュグマリオンとガラテアは、彫刻家ピュグマリオンが自作の女性像へ恋し、ヴィーナスの力で像が人間になる物語を描く図像です。白い像から肌色の身体へ変わる境目、彫刻台、抱擁が変身を示します。

解説

オウィディウスの『変身物語』では、ピュグマリオンは現実の女性を退け、象牙で実物の女性に見える像を彫り、それを妻のように飾って寝台へ置きます。古典本文で像の素材は象牙とされ、像は固有名を持たないまま登場します。「ガラテア」は後世の作品名として広まった呼び名です。

ヴィーナス祭で、ピュグマリオンは「象牙の娘のような妻」を願います。帰宅して像に触れると、象牙は温まり、指の下で柔らかくなり、脈打つ身体へ変わりました。女神は二人の結婚を祝福します。一方、生命を得た女性に独立した発言や選択の場面はなく、創造者の願望だけで物語が進む点は、後世の解釈で問題にされます。

ジェロームは変身の瞬間を、彫刻台の上で像と制作者が抱き合い、白い下半身から肌色へ移る姿として描きました。ロダンは、未完成の石から女性の身体が現れるように造形しています。二作は古典本文にない構図や素材を加え、制作中の素材と生命の境界を可視化しました。