神話

プロテウス

ぷろてうす

意味

プロテウスは、ホメロス『オデュッセイア』第4歌に登場する、予言と変身の力を持つ「海の老人」です。エジプト沖のファロス島で海獣を見守り、捕らえたメネラオスに帰路と戦友たちの運命を告げます。

解説

トロイア戦争からの帰途、メネラオスは風が吹かないためファロス島に足止めされます。そこでプロテウスの娘エイドテアが、父なら怒らせた神と帰る方法を知っていると教えました。プロテウスはポセイドンに仕え、海から上がるとアザラシの群れを数え、その中で昼寝をする神として描かれます。

メネラオスたちが捕らえると、プロテウスは獅子、蛇、豹、猪、水、木へ次々と変身します。それでも手を放さない相手には元の姿で問いに答え、帰国に必要な儀礼と、アガメムノンやアイアス、オデュッセウスの消息を語りました。この変身によって、プロテウスは正体と情報を守りながら拘束を解こうとします。

同じプロテウスという名は、別の物語ではエジプト王にも使われます。ヘロドトス『歴史』のプロテウスはメンフィスの王で、エウリピデス『ヘレネ』でもファロス島を治めた亡き王です。海神と王はエジプトやファロスという舞台を共有します。ホメロスは神、ヘロドトスとエウリピデスは王として、それぞれ異なる役割を与えました。どのプロテウスかは、作品名と役割を確かめて読む必要があります。