象徴
意味の多義性
いみのたぎせい 別名:polysemy・semantic polysemy・多義性意味
意味の多義性は、一つの語や像に、互いに関係する複数の意味がある性質です。リクールは、自然言語の語が多義的であり、文や会話の文脈が候補を絞る働きを持つと論じました。
解説
例えば「口」は、身体の一部、容器の開口部、物事への入口などを表し、中心となる意味から関係する用法が広がっているため、同じ音を持つ別の語を指す同音異義とは意味どうしのつながりによって区別されます。多義性を読む時は、まず文章の中でどの意味が働くかを確かめます。辞書に並ぶ候補は、その文脈を検討するための手掛かりです。
リクールは『解釈理論』で、自然言語の多くの語が複数の意味を持ち、談話の文脈がその可能性を選別すると説明しました。話し手、聞き手、話題、前後の文がそろうと、語が今回どの意味で使われたかを絞れます。対話には、聞き手の理解を話し手が修正し、誤解の範囲を狭める役割があります。
語の多義性と、象徴や生きた隠喩が生む意味の余剰は関係しますが、両者の役割には違いがあります。多義語では文脈が既存の語義を選び、隠喩では文全体の緊張から新しい意味が生まれる場合があり、象徴は目に見える形や直接の意味を通して第二の意味について考える契機を作ります。
タロットで、ある版のカードに星や水が描かれていることは図像上の事実です。星を希望、方向、遠い目標のどれとして読むかは、版の解説、占術書、スプレッド上の位置、相談の問いによって変わります。本人が星に持つ経験も解釈材料になりますが、歴史的な典拠と個人的な連想は別の欄に記録すると由来を追えます。
実践では、象徴から浮かぶ意味を二つか三つ挙げ、各候補を支える図像、文章、質問、本人の言葉を対応させ、複数の意味が同時に働く読みでは、その関係を一文で説明します。候補を一つに絞る場合も、別の意味が外れた理由を残すと、後から相談状況が変わった時に読み直せます。