神話
エンリル
えんりる意味
エンリルは、古代メソポタミアで神々や人間の運命を定め、王に統治の権威を授けるとされた神です。信仰の中心は都市ニップルで、神殿エクルに祭られました。
解説
エクルは「山の家」という意味の神殿名です。エンリルをたたえるシュメール語の詩には、各地の支配者がこの神殿で品物を捧げ、エンリルに祈る姿が描かれています。
王との結びつきを示す一例が、都市ウルの王ウル・ナンムをたたえる詩です。詩の中で王は、エンリルが自分の運命を定め、王位を授けたと語ります。神に選ばれたことを、国を治める権威の根拠とする表現です。
一方、シュメール語の洪水物語では、エンリルは天の神アンとともに人類を滅ぼす命令を告げます。物語の結末で、洪水を生き延びた王ジウスドラへ永遠の命を授けるのも、この二柱の神です。
「風の神」という説明は、エンリルの名を「風の主」と解く説に基づくものです。ただし、神名の綴りや語源については研究者の見解が分かれています。文学作品で神を嵐にたとえる表現には、その破壊力を伝える比喩とする解釈もあります。