象徴

ゼロ焦点化

ぜろしょうてんか

意味

ゼロ焦点化は、登場人物の一人に知覚や知識の範囲を絞らず、物語の外側にいる語り手が複数人物の内面や別の場所の出来事を示せる語り方です。全知の語りと呼ばれることもありますが、語り手の「声」と情報の範囲は同じ概念ではありません。

解説

ジュネットは、誰が語るかと、どの人物の知覚に情報を制限するかを分けて考えました。ゼロ焦点化では、特定の人物が知りえない場面や、複数人物の内面を語り手が提示できます。

たとえば、別々の場所にいる二人が同時に考えていることや、主人公がまだ知らない事情まで本文に示せます。ただし、物語の語り手が広い情報を示せることは、現実の人が他者の内心や未来を知れるという根拠にはなりません。

占いの文章でカードから過去・相手の内心・未来を続けて断言すると、ゼロ焦点化に似た「すべてを知る語り口」になりやすいものです。観察できた事実、相談者の受け取り、カードから広げた仮説を分けて書くと、読み手はどこを確かめられるか判断できます。