哲学・心理

元型

げんけい 別名:Archetype・アーキタイプ

意味

元型は、ユングの分析心理学で、経験を典型的な形で捉える先天的な心的形式を指す理論概念です。ユングは元型を集合的無意識の内容と位置づけました。夢や神話に現れる母、影、英雄などの具体像は元型的イメージと呼ばれ、元型そのものと区別されます。

解説

ユングの理論では、個人的無意識が忘却や抑圧を受けた個人の経験を含むのに対し、集合的無意識は個人が獲得した記憶より深い層を指します。元型は後者を構成する形式として仮定され、夢、空想、神話、宗教的な物語に反復する主題から推定されます。

ユングは、像を生み出す形式や傾向に先天性を置きました。母という主題も、養育する人、大地、家、容器、のみ込む力など、文化と個人史を通して異なる像を取ります。反復する形式と、実際に現れた元型的イメージの区別が、固定した意味表への還元を防ぎます。

夢や物語を読む時は、最初に本人がその像へ抱く感情、場面、最近の出来事を聞きます。その後で、似た神話や文化的な表現を比較します。この順序は、共通する主題を手がかりにしながら、個人差と文化差も判断材料に残す流れです。

タロットの女帝を母、隠者を老賢者へ結び付ける読みは、カード像への反応を言葉にするための応用です。元型論は、カード像への反応と、本人の経験に繰り返し現れる主題を照合する枠組みです。未来の出来事は、実際の状況と選択から別に判断します。