石
モルダバイト
もるだばいと 別名:Moldavite意味
モルダバイトは、約1500万年前のドイツ・ネルトリンガー・リース衝突に関連して、主にチェコに分布する緑色のテクタイトです。テクタイトは、大規模な天体衝突で地表物質が溶けて飛散し、固まった天然ガラスを指します。地表に到達した隕石と、衝突で溶けた地球物質からできるテクタイトは、成り立ちが異なります。
解説
モルダバイトは、緑からオリーブ緑の色を示すことが多いテクタイトです。テクタイトは、隕石や小惑星が地表へ衝突した際に地球の岩石や土壌が高温で溶け、飛散した後に冷えてできる天然ガラスです。鉱物では原子が結晶格子として規則的に並びます。ガラスは原子が長距離まで規則的に並ばない非晶質の物質です。
モルダバイトは、現在のドイツ南部にあるネルトリンガー・リースの衝突と結び付けられています。この衝突はおよそ1500万年前に起き、飛散した緑色のガラス滴はチェコを含む東ヨーロッパへ広がりました。標本には色、形、透明感に幅があり、チェコとモラビアのモルダバイトは国立博物館のテクタイト資料でも大きな割合を占めます。
モルダバイトの緑色や表面の模様は、衝突に伴う溶融と飛散の経過を考える入口にはなります。ただし、色や見た目だけで産地や来歴を確定することはできません。標本の名称や由来を判断するときには、採集地の記録、流通経路、必要に応じた宝石学的な鑑別結果を別々の資料として読む必要があります。
占いで、遠い場所へ飛散した地球由来のガラスを、急に現れた出来事の経緯をたどる比喩にする場合があります。この読みは衝突と飛散の歴史を人の状況へ重ねた文化的な連想です。モルダバイトが急激な変化を起こしたり、心身へ特別な作用を及ぼしたりするという科学的根拠を示すものではありません。